works


いいねの言い値

1like 1yen

  • bulb
  • bulb
  • どこのだれかわからない、だれかのinstagramの画像を引用し、リアルタイムにinstagramの画面を映している。
    同じ画面を印刷したポストカードを1いいね1円で販売している。 画面は、数秒に一度リロードするようになっている。そのため、鑑賞者も検索などでこの投稿を探し、いいねをすることで値段を上げることができる。
    最近は、NSNが生活の一部となっている。いいねやコメントは気分を上下させる要素のひとつである。それらの重みはもはや、お金に相当する程であるように思う。いいねやコメントは、目に見える形で他の人にその画像の価値、ないしは自分の価値を現すステータスのようなものである。多くの人の目に触れ、多くの人が実際に画面にタッチをして「いいね」の意思を投稿者に伝えている。 コニュニケーションが安易にできるSNSは、同時に本当にいいものに対してしての「いいね」なのかは疑わしい面もある。
    本作品の、いいねの少ない画像は、ウォールペイントに重なるようにグラフィティの落書きがされている。その写真の中にある批判的要素は、NYのバンクシーとKingROBBOのような掛け合いのおもしろさはないが、何かしらの訴えを感じてしまう。 投稿では、それに全くふれていないこともかなりカオスだ。本当に面白い投稿にいいねが少ないこともあるし、つまらない投稿にいいねが多いこともある。人の曖昧な判断に自分の気分、ないしは行動を制限されることは、独特の空間の中で実態のそぐわない存在に踊らされているように映ってしまう瞬間がある。

    ▪︎個展 AMBIVALENT Gallery EGG

     2017.11.14- 2017.11.19